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イベント報告

急性期脳卒中診療の連携を考える会を開催しました

急性期脳卒中診療の連携を考える会を2026年1月21日(水)に脳神経センター大田記念病院で開催しました。会場31名、WEB40名の参加でした。
事業内容:
講演1:「当院での左心耳カンファレンスの取り組み」
座長:脳神経センター大田記念病院 宮本欣倫先生
演者:脳神経センター大田記念病院 脳神経内科 庵谷紘美先生
講演2:「心原性脳塞栓予防を主眼とした心房細動マネジメント~降圧管理を含めた診療内容のご紹介~」
座長:脳神経センター大田記念病院 寺澤由佳先生
演者:福山市民病院 心臓血管外科 統括科長 林田智博先生

日本における心房細動(AF)は加齢とともに増加し、現在は71.6万人が罹患していると考えられる。2050年には約103万人(1.1%)が罹患すると推計される。
高血圧管理ではACE阻害薬、ARB、アルドステロン拮抗薬が一次予防に有効で、洞調律回復後の二次予防ではARBがやや優位とされる。収縮期血圧を140mmHg未満に管理することで全身塞栓症リスク低減が報告されているが、日本人では効果が乏しい可能性が指摘されている。サクビトリルバルサルタンはAF抑制や左心房容積縮小の可能性が示されている。
AF患者の死亡原因は、GARFIELD-AFでは心血管死が40.5%、脳卒中関連死が10%との報告がある。また、Fushimi AF Registryでは心血管死26%>脳卒中関連死7%とされ、7%にすぎないと記載されるが、臨床では無視できない割合である。
脳梗塞の20〜30%はAFが原因とされる。心原性脳塞栓症の90~98%以上が左心耳由来であるため、左心耳管理が極めて重要となる。日本でのリスク評価には従来CHADS₂が主に使用されてきた。簡便である一方、性別・血管疾患・年齢がリスクに含まれない。2024年JCS/JHRSアップデートでは新たに85歳以上、BMI<18.5、持続性/永続性心房細動が危険因子として追加された。
抗凝固療法では出血リスク、薬剤相互作用、認知機能、腎機能、通院頻度、薬価など多くの因子を考慮する必要がある。特に、DOAC内服中に脳卒中を発症した場合、DOACの変更は無効であり、頭蓋内出血が増加する可能性がある。透析患者ではワルファリンが原則禁忌、CKDではDOAC使用に制限があるなど、DOACは万能ではない。
左心耳閉鎖は心原性脳塞栓予防において重要である。WATCHMANは日本人では左心耳が大きい傾向があり、75歳以上には使用すべきでないとされるなど適応に制限がある。また海外成績も必ずしも良好ではない。
胸腔鏡下左心耳閉鎖(WO法など)は安全性と再現性が高く、高リスク患者でも良好な成績を示す。抗凝固薬の完全中止が可能な症例もあり、高齢者にも適用可能で今後ガイドラインで推奨度が上がる見込みである。WO法はWATCHMANよりハイリスク患者を多く含むにも関わらずイベント発生率が同等であり、外科的閉鎖の有効性が示されている。また開心術時の左心耳閉鎖併施により脳卒中発生を有意に抑制できる。
心房細動に伴う脳塞栓の多くは左心耳由来である。降圧管理、薬物治療、左心耳の構造的介入を統合した総合的AFマネジメントが求められる。WATCHMANは適応が限定的であり、高齢者への使用には慎重さを要する一方、胸腔鏡下左心耳閉鎖は今後の中心的治療となる可能性が高い。

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